【センス オブ ワンダー】
この言葉を人生で一番最初に教えてくれたのは短大時代にお世話になったアメリカ出身の教授でした。
彼が卒業に際して送ってくれたこの言葉が以後ずっと、私の心に棲み付くいています。この本の作者のレイチェル・カーソンは1962年、著書「沈黙の春」で農薬や化学物質による環境破壊の実態に世界に先駆けて警笛を鳴らしたアメリカの海洋生物学者であり、ベストセラー作家です。
この本が伝えているのは、癌を発病したレイチェルが、死の間際に残したメッセージ。
それは、子供達の心に「センス オブ ワンダー」(神秘さや不思議さに目を見張る感性)を育むことの大切さでした。
夜空の星の輝き、植物の芽吹きや潮の満ち引き・・・当たり前に思えるような目の前の現象は、かけがえのない命の輝きと自然の神秘に満ちていることをあらためて気付かせてくれます。
レチェル・カーソンの信念が美しく詩情豊かな文体となり、いつまでも心に残ります。
「センス オブ ワンダー」
著者 / レイチェル・カーソン
訳 / 上遠恵子
Text and Editing_Masami Araki / Myoujou Library
photo_Koshi Asano / Office Presence