石川理 座談会とギター演奏会を終えて。



 

「パンテオンを見ずしてローマを去る者は愚者なり。」はローマに伝わる諺。
 
現在、明星ライブラリーにて開催中の「石川理・素描と彫刻 小品展〜presence and absence〜」の会期中のイベントとして、3月19日(日)、石川さんからの美術トークと、ギタリスト 待井裕太さんのギター演奏会をお楽しみいただきました。
 
ヨーロッパでの留学や、チェコの石切り場で作業をした彫刻プロジェクト、々な海外での彫刻シンポジウムへの参加、アジア全域の旅などを経たこれまでの35年以上に渡る石川さんの創作の中で、この日のようにご自分のお考えなどをみな様の前でお話されることはなかったことののように思います。
 
正岡子規への想い、ドイツの「彫刻の詩人」と言われたバルラッハとの出会い、「自ら発見すること」などなど、お話していただいた内容はご紹介しきれません。
 
写真のドローイング作品のイメージの源となったのは、ローマに2000年前から建つ神殿「パンテオン」。神秘的なドーム型の内部空間の天井に開いた直径9メートルの天窓。そこから射す光を想像しながらお話を伺っていました。

石川さんにとって、目の前の物事やその本質を深く見つめたり、そこから立ち上るイメージのかたちを実際のものにしていくことは「パンテオン」の神殿の中で、世界と対話する行為のように感じます。

後半の待井さんのギター演奏会では、石川さん所縁の地でもあるドイツの作曲家、バッハ作曲の楽曲や、「椰子の実」などを演奏していただきました。

この日石川さんがご紹介してくださった彫刻作品集は展示会場にてみな様にご覧いただくことが出来ます。