約一ヶ月に渡り、明星ライブラリーにて開催してきました
「石川 理・素描と彫刻 小品展〜虚と実〜」はおかげさまで4月9日(日)をもちまして最終日を迎えました。
一枚の大きさが約40号ほどのサイズのドローイングが30点ほどと、両手では抱えられないほどの大きさの彫刻作品たちとと革太鼓や樅の木のログドラムが明星ライブラリーの空間いっぱいに展示されている様子は「小品展」だったとは思えないほどのスケールだったと振り返ります。
「虚と実、樹木との対話から聴こえるもの」
土に根を張り巡らし、水と大気、太陽と月の光を浴びて黙って呼吸する樹木。
石川さんとの出会いは10数年前のログドラムを使用したリズムワークショップでした。
元来、石を素材として彫刻作品を創ってこられた石川さんは、台風で倒れた母校の巨木・名木の活用を考え、丸太にスリットを入れたログドラムを制作したことをきっかけに、これまで大小様々なログドラムを作り、その指導やリズムワークショップを熱心に続けてきました。
近年は命や、ものの存在の真実への探求から、「虚と実」をテーマに作品の創作をしています。
墨で描かれたドローイング作品に溢れる光、耳を澄ますとそこから様々な声が聞こえてきそうな想像の世界や空間の造形を眺めていると、自分の心の奥の方で響いている本来の感性、感覚が緩やかに解き放たれて行くような気持ちになりました。
石川さんが木彫やログドラムの材として使用するのは、地元の切り倒された樹木や間伐材。
人と土地との何らかのご縁の中で石川さんの元にやってきた樹木が楽器や彫刻作品として生まれ変わり、響きやかたちとなって、人と関わり続けることが出来ることは、樹木たちも喜んでいることと想像します。
檜や楠、樅、様々な木の香りに包まれ、まるで森の中にいるような気持ちの良い一ヶ月となりました。
40年に渡る石川さんの創作の軌跡を全てご紹介することは出来ませんが、この地元渥美半島の先端の小さなギャラリーで、石川さんの活動の一端をご案内出来たことを嬉しく思います。
ご来場いただいた皆さま、また心を寄せてくださった皆さま、ありがとうございました。
明星