渥美半島に暮らす

【渥美半島に暮らす】
 

渥美半島の先端の中山町に生まれ、現在までの大半の人生をこの地で生きています。

子供の頃から眺めていたたくさんのキャベツ畑や夜の闇に浮かび上がる電照菊のビニールハウスの灯は、他の地域では当たり前の風景ではないことを最近になって実感するようになりました。

三方を海に囲まれた半島内では、車で十数分も走ればどこにいても潮の香りのする浜辺へと辿り着きます。

20代の頃までは、「何もない。」と感じていたこの町に、年を重ねた今は「ここには全てある。」と感じるのは自分の内側の変化によるものたでしょうか。
 
おしゃれなカフェやショッピングモールはな いけれど、四季折々の自然は穏やかで優しく、農作物や魚介類の豊富さと美味しさは日本一だとさえ思えます。

人や時間の流れのせわしさがないので、自分自身と他者にゆっくりと向き合えることに満たされます。

都会に暮らす人も「陸の孤島」に暮らす人も自分と周囲のことを考え、何を学び、どう生きるかを問い続ける中で私は、「ここにいる」ことをかけがえのないことと思い、世界に耳を澄まし、大地と風の語りかけを聞きながら生きていきたいと思います。