プラテーロと私



 
銀」はスペイン語で「プラータ」、銀色のロバは「プラテーロ」と呼ばれているそうです。

先月の取材で訪れた浜松市肴町にある、銀のアクセサリーの制作と販売のお店「プラテロ」。

お店の名前の由来となった本だと聞いて、早速購入したJ.R. ヒメネス作「プラテーロとわたし」のページをめくることが、最近のお気に入りの読書時間です。

「プラテロ」がオープンしたのは1978年。以来40年、お店でアクセサリーを作り続けているオーナー夫妻の優しい人柄と、制作するデザインの魅力で今も変わらずお客さんは絶えません。

「プラテーロとわたし」は、月のように銀色の、柔らかい毛並みのロバのプラテーロに、主人公が日々のよろこびと哀しみを優しく語りかける138篇の散文詩。

何気ない出来事や風景の描写が歌のように美しい言葉で綴られ、なぜか心にじんわり染みてきます。

銀色のロバはいないけれど、銀色っぽい毛色の猫を撫でながら、スペインのアンダルシアの田園の景色を想像して読んでいます。