あさり漁・腰マンガと雑誌「そう」20年の歩み



 

こちらはあさり漁道具・腰マンガです。

私の実家の先祖は室町の頃に鍛冶屋だった聞いて育ちました。

その血を引くためか、漁師であさり漁をしていた父は、漁の道具である「腰マンガ」を、職人でもないのにひたすらに、それを使う人間として「用」を追求し、溶接作業を独学で身に付け、ついには本格的な「腰マンガ」をたくさん作る人でした。



ものを作ることが根っから好きだったのだと思います。

その父が作った「腰マンガ」がまさか、東三河を代表する美術家であり書体デザイナー、出版社代表である味岡伸太郎氏が編集長を務める雑誌「そう」の20年の歩みを展示する空間に、このように鎮座することになるとは天国の父も夢にも思わなかったと思います。

関係者の皆さま、ありがとうございます。

父が作った「腰マンガ」は、出版社「春夏秋冬叢書」が出版している書籍「浜道紀行」(著/ 内藤昌康)の中で三河地方のあさり漁とその道具を紹介するページの実物資料として展示されています。


 

春夏秋冬叢書が出版する雑誌「そう」が創刊されたのは2002年。以降今年で20年、年に4回の発行で三遠南信エリアの地域のことを毎回ある漢字一文字のキーワードから様々な話題を取り上げ、掘り下げ、地域の記録として丁寧に伝えています。

最新号は第74号となります。

現在、蒲郡のセレクトショップanalog/toolにて開催中の「叢(くさむら)を歩いた。本たち展」には、雑誌「そう」の創刊号から最新号まですべて展示され、一冊ずつ手に取って読むことも出来、もちろん購入も出来ます。

展示からは、編集長の味岡さんの「そう」への思いや確固たる編集方針、地方に生きる意義などへの考えも感じられ、背筋が伸びる思いがしました。