読書会「老子とタオ」



 
「タオから松山俊太郎~高田渡へ」

 
8月28日(日)、NYで太極拳の講師をし、本業は通訳、翻訳などをする彦田亜希子さんをお迎えして、「老子とタオ」をテーマにした読書会を開催しました。

「老子」と呼ばれた人物、書物、どちらも深い霧に包まれているように神秘で言葉で語り得ないものです。

この日は全81章からなる老子の「道徳経」から抜粋して皆さんで読みその意味にアプローチして和やかに楽しく語り合いました。

老子の思想は「タオイズム」(タオ=道)と言われます。

第一章で老子は「タオ=道」につてこう語っています。

「道は語り得ないけれでも、不変で永遠の存在だとされ、名づけることも出来ない。
その名付け難いものが天地の始めだという。」

NYで太極拳の講師をしてこられた彦田さん。

老子を学ぶことは太極拳の考え方そのものであると言われています。
太極拳は武術であり、その「柔らかさ」で相手を攻撃し、自分の身を守り、強さを磨きます。

皆さんと語り合う中で「柔らかさ」とは?「水のような生き方」とは?

また「タオ」の生き方とは?孔子の考えとの違いなどなどについてそれぞれの暮らしの体験からお話いただきました。

タオ・・・社会や世間一般から判断する基準ではなく、自分の心で測る価値観で生きる。

タオ的な生き方は、社会の常識から見たら枠から外れた変わり者に映るかもしれませんがその中に自分自身の本当の生き甲斐や本当の喜びがあるのかもしれません。
反面、社会の基盤や常識も大切であり、そのバランスと調和の中でしなやかに生きるという豊かさをイメージします。

最後に「老子」の最終章のテーマ、「不浄」(争わない)に思いをはせながら平和や、自然、心の平安について考え、「老子」との時間を終えました。
 

 
後半の「ブックトーク」の時間では参加者の皆さんより持参していただいた本を紹介し合い、その魅力について語り合いました。

インド学者の松山俊太郎氏の壮大な思想が詰まった本から、詩人の山之口貘氏、辻邦夫氏、藤原新也氏の本などなど・・・また気がつけばいつの間にか高田渡氏の音楽試聴会へと。

偶然にも前日、幸田町の駅前書店さんにて開催された音楽ライブ&トークで聴いたのは高田渡氏の曲、山之口貘氏のことも話に出ていたところで、不思議な繋がりに嬉しくなりました。

彦田さんを囲み、それぞれの思う「タオ」に思いを寄せることから、NYで暮らす彦田さん、老子、参加者の皆さま、紹介された本に描かれた人々、それぞれの「道」を想像する楽しい時間となりました。

ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。

 

 

 
2016/9/2